1年生の算数を線分図+3つの図と変身ルールで攻略する

線分図

3つの図

  • グループ分けの図
  • 高速道路の図(経時的変化の図)
  • すごろくの図

変身ルール

 次元の異同に関わらず比例関係にある単位の変換は、1つの変身ルール「○○あたり××」を用意してあげることを常に考えます。この際、“1あたり”にこだわる必要はありません。

例題:

 おかあさんリスは 5ほ あるくごとに ドングリを 3こ たべます。

 こどもリスは 3ぽ あるくごとに ドングリを 2こ たべます。

 おかあさんリスが 2ほ あるくとき、こどもリスは 1ぽ あるきます。

 おかあさんリスと こどもリスが たべた ドングリの こすうの ちがいが 24こ になるとき おかあさんリスと こどもリスが あるいた ほすうの ごうけいは なんぽに なりますか?

  変身ルール「 合計○○歩 あたり 食べたドングリの違い××個 」の作成を考えます。

 母リス2歩、子リス1歩だとドングリの個数が整数にならず考えにくいので、15倍(3×5)して、母リス30歩、子リス15歩 の場合を考えます。 それぞれドングリを18個、10個食べるので、変身ルール「 合計45歩 あたり 食べたドングリの違い8個 」が得られます。

 よって、食べたドングリの違いが24個のときは、合計135歩歩くことになります。

世界地図

 旅行やニュースにより興味が持てるかと思い、娘には、「くもんの日本地図パズル」と「1日10分日本地図をおぼえる本」を使って、小学一年生の夏休みの終わりまでに日本の8地方47都道府県の形・位置・名称を覚えてもらいました(※ 娘の場合は新潟県:ハト→恐竜、神奈川県:ウサギ→ラクダ、福井県:ラケット→鍵、愛知県:ヒツジ→カンガルーに変更しました)。  

くもんの日本地図パズル

くもんの日本地図パズル

 
小学生版 1日10分日本地図をおぼえる本 (コドモエのえほん)

小学生版 1日10分日本地図をおぼえる本 (コドモエのえほん)

 

  今回、ワールドカップがあったので、世界地図も少しやってみようということで、眠っていた「1日10分でせかいちずをおぼえる絵本」を引っ張り出してきました。本当は「くもんの世界地図パズル」もあったほうがよかったのですが廃盤のようです。 

1日10分でせかいちずをおぼえる絵本

1日10分でせかいちずをおぼえる絵本

 

 ところで、世界地図をちゃんと理解して見ている人は大人でも案外少ないかもしれません。えっ?と思った方は次の問いに答えてみてください。

・問1. 世界地図上を右端まで進むと左端から出てきます。では、上端まで進むとどこから出てきますか?

・問2. 日本の秋田県とスペインのマドリードは緯度が同じです。では、正しいのはどちらでしょう? A. 秋田県見てからマドリードは真西にある。B. 秋田県から出発して方位磁針を見ながら真西に進み続けるとマドリードに到着する。

 どうでしょうか? 問1で下端から出てくると答えた人は、ロールプレイングゲームのやりすぎかもしれません。問2ではそもそもAとBの違いが分からなかった人もいるのではないでしょうか?

 世界地図が立体である地球儀を無理やり平面にしたものであること、それゆえに歪みが生じていること、よく分からなくなったら地球儀に立ち返って考えればよいことは理解してほしかったので、娘には以下のステップを踏んでもらいました。

  1. 地球儀とその展開図の関係の理解。みかんの皮向きタイプ(?)の球の展開図を自分で組み立ててもらい、ちゃんと球(に近い形)になることを確認してもらいました。
  2. 組み立てた地球儀に赤道上を進む線や、経線上を進んで北極を通過する線を書き、展開したらどうなっているか確認してもらいました。
  3. 展開図の上下を無理やり拡大したものが長方形の世界地図(メルカトル図法)であることを理解してもらいました。

 地球儀での方角と世界地図上での方角の関係などは、発達に応じて追加すればよいと思います。ついでに、記憶のための整理棚として6地域を覚えてもらいました。例によって、5, 7, 5, 7, 7で「ヨーロッパ アジアアフリカ オセアニア 北アメリカに 南アメリカ」を歩きながら数回唱えてもらっておしまいです。あとは徐々に知識を増やしていってくれればと思います。

天体の見かけの動きを理解するための準備

 太陽や月、星はとても身近ですのでついつい娘に説明したくなってしまいます。しかし、天体の見かけの動きを1年生に理解してもらうのはとても難しいように思いました。というのも、立体を頭の中で自由に動かせる力、絶対運動から相対運動を考える力、複数の運動を分離・合成する力など、かなり高度な内容が要求されるからです。なので準備段階としてまずは以下のような経験を積んでもらうことにしました。

  •  さまざまな方向からの物体の見え方の理解

 これは天体に限らず、各教科に関係する重要な基本能力です。自分が観察者になりきって想像するというのが王道なのかもしれませんが、観察者が自分と一致するように観察者・物体もろとも頭の中で動かしてしまうという方法も理解してもらいました。後者は裏から見たらどうなるかとか、逆立ちしたらどうなるかなど、やや想像が難しい場面で特に有効なように思います。

  •  光源と影の理解

 月の満ち欠け、日食、月食の理解に必要です。これは日常生活で簡単に経験が積めます。影から光源を見たらどのように見えるかということも、経験してもらいました。

  •  相対運動の理解

 見かけの運動の理解に必要です。自分で並進運動や回転運動をしてもらい、周囲の景色が、見かけ上どのように動くか経験してもらいます。このとき、近くの景色と遠くの景色とで見かけ上の動きがどのように異なるかに注意します。月や周りの木を指差しながら夜道を散歩してみるとその違いがはっきり分かると思います。

  •  現象の観察
  1.  太陽が、東から西(北半球では南を通るので左から右)に動くこと
  2.  太陽のある方角が、時刻と一対一対応すること
  3.  月(、星)も、一日の間では(ほぼ)同じように東から西に動くこと
  4.  実際には太陽に対して、月が東に(星が西に)徐々にずれていくこと
  5.  月の形が日々変化すること(北半球では右から現れて、右から欠ける)
  6.  太陽と月の相対位置が、月の形と一対一対応すること
  7.  季節によって見える星座が異なること

などを観察を通して常識にしてもらいます。

  •  天体の絶対運動の知識

 これは経験というわけにはいかないので、本や動画、自然博物館などで取得しましょう。

  最終的に以上を統合すれば天体の見かけの動きが説明できるようになるはずですが、1年生は次のような絵本でなんとなく雰囲気がつかめれば十分なように思います。

1月の満ち欠けのひみつ (もっとたのしく夜空の話)

1月の満ち欠けのひみつ (もっとたのしく夜空の話)

 
2日食・月食のひみつ (もっとたのしく夜空の話)

2日食・月食のひみつ (もっとたのしく夜空の話)

 
4星座のひみつ (もっとたのしく夜空の話)

4星座のひみつ (もっとたのしく夜空の話)

 

 

地球の歴史

 娘は、最近、自然博物館の「地球の歴史」コーナーを気に入っているようです。

 「地球の歴史」というとどうしても中生代の恐竜に目がいきがちですが、私としては全体のストーリーを知ってほしいという思いがありました。そこで、「地球のあゆみえほん」という絵本をあたえてみました。地球誕生から新生代の第四紀までが生き生きした絵とともに描かれていて、おすすめです。

地球のあゆみえほん 46億年のれきし (たのしいちしきえほん)

地球のあゆみえほん 46億年のれきし (たのしいちしきえほん)

 

 せっかくなので、少し知識として覚えてもらいました。

 まずは、知識の整理棚となる時間的グループ分け、すなわち、○○代○○紀の記憶です。これは難しいかもしれないと思いましたが、「5 7 5 7 7 」、「5 7 5」の歌にしてあげたら意外にあっさり記憶、定着してくれました。 

 そういえば、春の七草秋の七草も幼稚園のときにこの方法で覚えていました。低学年のうちは、音で覚えたほうがよいのかも。調子に乗って十二星座も「5 7 5 7 7 」にしてあげたら、やはりあっさり覚えてくれました。

 続いてこの整理棚に内容を入れていきます。絵本といっても記憶するにはまだまだ内容が多いです。とことん内容を削ぎ落としてまずは基本となるイメージを身に付けてもらう戦略をとりました。例えば、先カンブリア時代古生代は、こんな感じでざっくりです。

 あとは、博物館なり図鑑なりでここに肉付けしていってくれればよいと思います。

 娘は今日も博物館で「ティラノサウルスは可愛い」という独特な感想を言っていました。羽毛が可愛いとのことです。

暗記

  • 「5 7 5」「5 7 5 7 7」のリズムにしてみる。
  • 歩きながら覚える。

1. 春の七草

せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ すずなすずしろ 春の七草

2. 秋の七草

はぎききょう くずおみなえし ふじばかま おばななでしこ 秋の七草

3. 十二星座

ひつじうし ふたごかにしし おとめのざ てんびんさそいて やぎみずにうお

4. 古生代

古生代 カンブリア紀に オルドビス シルルにデボン 石炭ペルム

5. 中生代

中生代 三畳ジュラ紀 白亜紀

6. 新生代

新生代 第三紀から 第四紀

1年生の算数の図

  • 集合数(個数・量)と グループ分け の図
  • 集合数(個数・量)と 変化の図
  • 順序数(順番・位置・時刻 etc)と 変化の図

 

  1. 最初は 〇 を使ってあらわす。
  2. 慣れたら、数字であらわす。
  3. 線分図になおしてみる。

数学(算数)の問題を解くということ

 数学(算数)の問題を解くということは、問題文で与えられている条件を、その意味を変えないように簡単に言い換えていく営みのことです。すなわち、与えられた条件を同値変形していくことが基本になり、これができないと数学が得意になることはまずありません。「ほとんど合っていたけど、この条件を忘れた」ということが頻発するような人は、惜しいどころか数学の基本がおさえられていない可能性が高いので、要注意です。

 まずは、基本的な同値変形については覚えて機械的にできるようにしておくことが肝要です。例えば、連立方程式の処理や量化文の基本処理がそれにあたります。

 y=10-x ∧ x-y=2 ⇔ y=10-x ∧ x-(10-x)=2 (代入法)

 x+y=10 ∧ x-y=2 ⇔ (x+y)+(x-y)=10+2 ∧ (x+y)-(x-y)=10-2 (加減法)

 ∃y∈R [ y=10-x ∧ x-y=2 ] ⇔ x-(10-x)=2

 ∀y∈R [ y=10-x ⇒ x-y=2 ] ⇔ x-(10-x)=2

 本当に同値か自信がない場合は、A ⇔ Bの成立を確かめるのに、A ⇒ B、B ⇒ A双方向の成立を確かめればよいですが、BだったらAが成立し、BでなかったらAが成立しないことを確認するほうが簡便なことも多いです。

 難しい問題になると、同値変形が簡単でない(処理が重い)場合が出てきます。そこで登場するのが、必要条件(題意より緩い条件、広い条件)を考えることで解であり得ないものを除外、十分条件(題意より厳しい条件、狭い条件)を考えることで解であるものをとりあえず確定するという考え方です。除外も確定もされず残ったものについてのみ解かどうか吟味すればよく、処理が軽くなる可能性があります。次の東大の問題をこの方法で解いてみましょう(この方法は少し閃きを要するので私であれば同値変形のみで解きますがそれは別の機会に紹介します)。