数学(算数)の問題を解くということ

 数学(算数)の問題を解くということは、問題文で与えられている条件を、その意味を変えないように簡単に言い換えていく営みのことです。すなわち、与えられた条件を同値変形していくことが基本になり、これができないと数学が得意になることはまずありません。「ほとんど合っていたけど、この条件を忘れた」ということが頻発するような人は、惜しいどころか数学の基本がおさえられていない可能性が高いので、要注意です。

 まずは、基本的な同値変形については覚えて機械的にできるようにしておくことが肝要です。例えば、連立方程式の処理や量化文の基本処理がそれにあたります。

 y=10-x ∧ x-y=2 ⇔ y=10-x ∧ x-(10-x)=2 (代入法)

 x+y=10 ∧ x-y=2 ⇔ (x+y)+(x-y)=10+2 ∧ (x+y)-(x-y)=10-2 (加減法)

 ∃y∈R [ y=10-x ∧ x-y=2 ] ⇔ x-(10-x)=2

 ∀y∈R [ y=10-x ⇒ x-y=2 ] ⇔ x-(10-x)=2

 本当に同値か自信がない場合は、A ⇔ Bの成立を確かめるのに、A ⇒ B、B ⇒ A双方向の成立を確かめればよいですが、BだったらAが成立し、BでなかったらAが成立しないことを確認するほうが簡便なことも多いです。

 難しい問題になると、同値変形が簡単でない(処理が重い)場合が出てきます。そこで登場するのが、必要条件(題意より緩い条件、広い条件)を考えることで解であり得ないものを除外、十分条件(題意より厳しい条件、狭い条件)を考えることで解であるものをとりあえず確定するという考え方です。除外も確定もされず残ったものについてのみ解かどうか吟味すればよく、処理が軽くなる可能性があります。次の東大の問題をこの方法で解いてみましょう(この方法は少し閃きを要するので私であれば同値変形のみで解きますがそれは別の機会に紹介します)。

 

 

太陽、月、星の動きの違いは、動きを分割して考えよ

太陽を基準にして、星は1日あたり1度(約1分)多く、月は1日あたり12.2度(約49分)少なく回って見えることを夜空を観察して現象論として知っておく(月が右から光り、右から欠けるのも同時に分かる)。

この現象の原因を考えるとき、地球・太陽を結んだ相対座標の導入し、さらに地球の自転、地球の公転、月の公転という複数の運動が関与するのでこれらを分割した考える。

地球がその場で360度自転するだけであればみんな1回転。

太陽のほうを向きながら1度公転することで、月と星が1度余分に回転。

月が13.2度公転することで、月が13.2度少なく回転。

合計すると、太陽を基準にして、星は1日あたり1度(約1分)多く、月は1日あたり12.2度(約49分)少なく回って見える。

月や星の問題は相対的な見方が大切

ポイント

・時刻あるいは方角は、太陽の位置から判断

・太陽との相対位置で月や惑星、星がみえる方角、満ち欠けを判断

太陽の方角とのずれは月(惑星、星)-地球-太陽の成す角に対応して変化するのに対し、満ち欠けは地球-月(惑星)-太陽の成す角に対応して変化します。よって、内惑星と外惑星の太陽方角とのずれの変化の違いは太陽-地球の軸を固定した座標系で、内惑星と外惑星の満ち欠けの様子の違いは太陽-惑星の軸を固定した座標系でと理解しやすいかもしれません。

一方、月の場合は、地球と月の距離に比べて太陽がかなり遠方にあるので、月-地球-太陽の成す角で、太陽の方角とのずれ、満ち欠けともに判断できます。

面対称図形、点対称図形は鏡にうつしても不変

ポイント

面対称図形は、対称面で切断すると、それぞれの立体は右手と左手の関係にある。

点対称図形は、対称点を含む面で切断すると、それぞれの立体は右手と左手の関係にある。

右手と左手を対称面、対称点ができるようにくっつけて鏡に映してみて、それぞれの場合で実際の手と鏡の中の手が回転すれば重ねられることを納得しよう!

 

私の場合、高校化学の光学異性体のところで始めて知った事実ですが、どうしてそうなのか解説がなかったので、数式で無理やり納得した覚えがあります(馬鹿ですね)。

比の性質を使いこなせれば、ニュートン算は大したことない

ポイント

AとBを○で表せれば(AとBの比が分かれば)、AとBを何倍かして足し引きしたもの(3A+2Bや5A-3Bなど)も○で表せる。(加比の理という名前がついてますが当たり前に感じられるレベルで理解してください)

注:A×AとAの比のように単位が異なるものは比が定義できないのでダメ。ただし、A×A+B×Bと2A×Bのように単位がそろっているものであれば、比が求まる。

これに加えて、相対変化を考える(旅人算的思考)、不変量に着目して比で考えるといった基本的アプローチを加えれば、ニュートン算は楽勝でしょう(特殊算の中では一番難しいということになっているらしい)。

例題:

125頭の牛は8日で牧場の草を食べつくす。103頭の牛は10日で牧場の草を食べつくす。70頭の牛は何日で牧場の草を食べつくすか?ただし、牧場の草を一定の割合で生え続ける。

一日あたりの草の生える量を□とすると、最初の牧場の草の量が不変量であることに着目して

125頭のときに一日あたりの草が減る量 125○-□は5●

103頭のときに一日あたりの草が減る量 103○-□は4●

とあらわせます。

次に、70頭のときに一日あたりの草が減る量 70○-□を●で表すことを考えると、

70○-□=(103○-□)-(3/2)×{(125○-□)-(103○-□)}=4●-1.5●=2.5●

となります。

よって、70頭では、125頭のときの2倍の時間で草がなくなることになりますから、求める日数は、16日になります。

線分図?面積図?

ポイント

面積図が有効なのは、○あたりの× 量が出てくるとき。

なお、てんびん算は面積図が書ける問題において平均を求めるときに使えます。

 

線分図、面積図は学習の初期の段階から使用してもよいと思います。

幼児や小学校低学年の場合は、長さ、面積と、離散的な数の対応が理解しにくい場合もあるかもしれないので、最初は線分図の場合は○を横に並べて書き、面積図の場合は横に皿、それぞれの皿の上に縦に○を並べるようにするとよいと思います。また、このとき、必ず単位がどうなっているのか意識してください(例 面積図の縦軸が ○/△, 横軸が△、面積が○)。

便利なてんびん算を使いこなそう

ポイント

てんびん算が使えるのは、

面積図にしたときの縦軸の量(○あたりの×)を、横軸の量(○)の比で混合したときの平均の縦軸の量を求める問題。

例1

5%の食塩水200gと10%の食塩水300gを混合したときにできる食塩水は何%?

縦軸が濃度、横軸が食塩水の質量の面積図で表せますから、そのままてんびん算が使えます。5%と10%を2:3で混合するので、てんびん算で求める濃度は5と10を3:2に内分する点、すなわち、8%と求まります。

例2

行き 6km/h、帰り 4km/h で走ったときの平均の速さは?

縦軸が速さ、横軸が時間の面積図で表せますから、てんびん算を使うにはかかった時間の比が必要です。行きと帰りにかかった時間の比は、それぞれの距離が同一なので、2:3。よって、6km/hと4km/hを2:3で混合するので、てんびん算で求める平均の速さは6と4を3:2に内分する点、すなわち、4.8km/hと求まります。